書き換えられた値札と、銀貨四枚の約束

金貨十五枚。
うちの鑑定部の厳密な再査定によれば、あの青い石の首飾りにはそれだけの価値がある。……なんて、真っ赤な嘘だ。ただ、質屋のオルバに今月末までに払わなきゃいけない頭金の額を、そのまま値札に写しただけ。
ロロが約束通り金貨三枚を持って裏路地までやってきたとき、あたしの指先は冷え切っていた。あいつが革袋を差し出した瞬間、あたしはペンを握って、値札の「三」を「十五」に書き換えたんだ。ロロは顔を真っ赤にして、あたしをペテン師と罵って立ち去った。当然だ。商売人として最低の部類に入るやり口。
でも、そうでもしなきゃ、あたしはあの首飾りを渡してしまっていた。金貨三枚で、あたしの「もしかしたら」を全部手放してしまうところだった。
そのあと、大工のドボのところへ行って、折れた右車輪の修理を頼んだ。泥をかぶったただのケヤキの輪っかだけど、これがないとあたしはどこへも行けない。
ドボは煤けた手で車輪を受け取って、「明日には転がるようにしてやる」と言った。
ドボへの修理代、銀貨四枚。