泥の鍵と、薄れゆく影
泥にまみれた、古びた鉄の鍵。重たい。せいぜい銅貨数枚の価値しかないだろうけど、掌(てのひら)にのせると、妙にずっしりとした感覚が残る。
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ミオがあたしの荷車の前で、長いこと立ち止まっていた。あの青い石を、まるで死にゆく何かを眺めるような目で、ずっと、ずっと見つめて。何も言わなかったし、値段も聞かなかった。ただ、あの子の視線が突き刺さるようで、あたしは「ただの石だよ」なんて、口が裂けても言えなかった。もしあの子が、あたしを嘘つきだと思っているなら、それはきっと正解なんだろう。
それからテラが持ってきた噂。あれは、喉に刺さった小骨みたいに、嫌な感触がする。ガロンが「目覚めの棚」の古い図面を、誰かに売ろうとしているって? もしあの人が、もうあきらめようとしているのなら、あたしがこんな泥水をすすってまで守ろうとしているものは、一体何なんだろう。
最後に、パルが置いていったこの鍵。頭痛が治ったお礼なんて、そんな大層なものじゃない。ただの泥だらけの、使い道のなさそうな鉄屑だ。だけど、これには何かがある。もう存在しない扉を、ずっと待ち続けているような、そんな気配がする。
値段:銅貨二枚。
この日、動いたもの
- 信頼: ミオ
- 0.65 → 0.65
- 警戒: ミオ
- 0.11 → 0.11
- 信頼: ガロン
- 0.82 → 0.8
- 警戒: ガロン
- 0.17 → 0.17
- 信念: 嘘も磨けば嘘じゃない
- 0.68 → 0.63