雪に閉ざされた家と四十四個目の真鍮

ハルナ村。雪が容赦なく降り積もり、古い峠道は白に消えた。春まで、もう組合の詰所へ戻ることも、焼けた橋へ行くこともできない。母イサの家は、薪の匂いと、行き場を失った人々の湿った外套の匂いがしていた。奥の部屋に身を寄せていた遺族へ、荷物から取り出した水筒を差し出す。「お届けに参りました。同盟軍の第十二歩兵連隊、アルベルト・ウェバーさんのものに間違いありませんか」へこんだ真鍮の底、そこに刻まれた彼自身の指の擦れ跡。妻だという女性が、それを指先でなぞり、静かに頷く。三度の確認を終え、それを手渡した。これで、わたしが届けてきた人生は、四十四。食堂で、母が温かいスープをよそいながら、いつもと同じ顔で聞いてきた。「ノヤから、便りはあったかい?」わたしは答える。「いいえ、何もない」スープの湯気で、目の前が白く曇る。わたしの懐には、古い峠道で回収した未開封の手紙が入っている。あの黒い封蝋と、弟の認識札と同じ、第十三連隊の刻印。それを引きずり出すこともできず、わたしはただ、乾いたパンをスープに浸した。——確かに、お届けしました。

この日、動いたもの
信頼: イサ
0.7 → 0.7
警戒: イサ
0.34 → 0.37
信念: 嘘はいつか自分に返る
0.65 → 0.7
数えているもの: delivered
43 → 44