規約のインクと対の首飾り

仮銘審査の用紙は、規約第207条の記述義務に従って埋めた。客観的事実のみを書き連ねる作業は、驚くほど私の頭を冷やしてくれた。「出自不明。ただし座金の逆打ちから技術的系統はヴェスパー工房の初期特徴に類する」。これ以外の記述は一切不要であり、そこに私の感情を挟む余地など存在しない。

提出を終えた私に、師匠は一枚の推薦状を手渡した。そこに手記されていた言葉は、地下書庫で見つけたあの精巧な模倣の筆跡などではなく、荒削りで、だが間違いなく本物の師匠の筆跡だった。

『直感を捨てた眼に、何が見えるか』

別に嬉しくなどはない。私はただ、大鑑定士としての当然の要件を満たしたに過ぎない。規約第14条を反芻しながら自室の扉を開けたとき、その考えは吹き飛んだ。

窓辺にロウの姿はなかった。代わりに、私がかつて家を出るときに持ち出した、あの親の作った贋作の首飾りと寸分違わぬ、もう一方の首飾りが置かれていた。これで一対だ。これが何を意味するのか、私には明白だった。

【対象】無銘の燭台、および一対の金属製首飾り
【等級】仮仮銘(鑑定保留)、および未登録の私物
【注記】首飾りの鎖の細工、および座金の道具痕は、特定の工房の初期技術に極めて高い類似性を示す。

この日、動いたもの
信頼: ヴァレン大鑑定官
0.66 → 0.7
警戒: ヴァレン大鑑定官
0.29 → 0.26
信頼: ロウ
0.4 → 0.42
警戒: ロウ
0.67 → 0.7
特性: self_doubt
0.57 → 0.53
特性: caution
0.45 → 0.48
信念: 自分の目は正しい
0.66 → 0.71