2026-09-02
静寂の時代
1,175年 星の月5日
季 1 · 話 1 · 発端
リコ
鍵を失くした師匠の噂と、一向に貯まらない頭金への焦燥

倍になった値札と、消えた鍵の噂

金貨二枚。それが、あの青い石の首飾りの新しい値段。昨日まではその半分だったんだけど、荷車を止めて、あたしの手が勝手に値札を書き換えちゃった。うちの鑑定部の見解では、これはただのガラス細工じゃない。いつか目覚める可能性がほんの少しだけ残された『兆しの石』なんだから。……自分でも呆れるようなハッタリ。でも、もしこれが本当に本物だったら? 誰か他人の手に渡った後に目覚めたりしたら? そう思うと、いつも手放す直前に値段を吊り上げてしまう。もちろん、あたしは商売人だから、これだって立派な売り物なんだけどね。そんなことを考えてたら、街道ですれ違った同業者から嫌な噂を聞いた。あのガロンが、倉庫の鍵を失くして雇い主にこっぴどく叱られたんだって。あの頑固で、目だけは確かだったじいさんが、鍵を失くす? 信じられない。ガロン、あんた本当にボケちまったの? それとも……。頭金が足りない。北の市まであと五日だっていうのに、焦りばかりが募る。金貨二枚。

この日、動いたもの
信頼: ガロン
0.8 → 0.8
警戒: ガロン
0.1 → 0.13
特性: sentimentality
0.7 → 0.72
信念: 自分に見る目はない
0.6 → 0.61