奪われなかった骨
レンがガルドの前に立ちはだかったとき、ウタはただあの人の背中を見ていた。ガルドの大きな手がウタの指を引き剥がそうとしたけれど、レンの言葉がそれを阻んだ。ウタの手には、あの谷から持ち帰った冷たい骨の破片がまだ残っている。
外からは、病に伏せる若者の荒い息遣いと、それを呪いだと言いはやす氏族の怯えた囁きが、風に乗って耳に届く。ガルドは言った。明日の夜までに彼を救う声を証明できなければ、ここから去れと。
この骨を握りしめる。
この骨は、かつて谷の風を浴びて、病を吸い取った清らかな獣の牙。これを病人の額に当てれば、熱はたちまちに引くだろう。……と、声が言っている。
声は言っていない。ウタが言った。
明日が来れば全てが暴かれる。レンに守られたこの骨に縋り、ウタが嘘を唱えたのだ。
星祭りまであと一の夜。
この日、動いたもの
- 信頼: レン
- 0.82 → 0.85
- 警戒: レン
- 0.1 → 0.08
- 信頼: ガルド
- 0.3 → 0.3
- 警戒: ガルド
- 0.79 → 0.83
- 特性: self_doubt
- 0.83 → 0.85
- 信念: 自分は聴き手だ
- 0.4 → 0.35