2026-09-13
大収束
417年 星の月18日
季 1 · 話 3 · 転機
セヴラン
インクから漂う冷たい鉄の匂いと、閉ざされた地下の冷気が、指先にいつまでも残っている。

青いインクと、閉ざされた地下

417年 星の月18日。収束暦198日。

手元にある黒インクの残量が完全に底を突いた(確認)。記録を継続するため、立ち入りが制限されている地下書庫の瓦礫跡へと潜った。

崩れた天井の隙間から、かつてミルテが使用していた机の引き出しを引き出すことに成功。中から、彼女が愛用していた青いインク瓶と、引きちぎられた手帖の断片を回収した。インクは変質しておらず、十分に実用に耐える。

手帖の紙片には、激しい筆圧の二重線で塗り潰された一節があった。
判読できた文字はわずかに『針は』『止まったのではない』『観測』の三語のみである(確認)。

~~要検証~~ 彼女は、何が起きるかを事前に知っていた。

筆跡の鑑定結果は、登録されている彼女の署名と完全に一致した(確認)。

回収を終えて地上へ戻る直前、背後で大規模な崩落の音を聴取した。地下書庫跡へ至る唯一の侵入経路は、巨大な岩塊によって完全に塞がれた(確認)。これ以上の回収、および実地検証は永久に不可能となった。

手元に残った青いインクで、この記録を書いている。黒よりも少し、紙への浸透が早い。

——以上を、本日の記録とする。記録院書記 セヴラン

この日、動いたもの
信頼: ミルテ
0.92 → 0.95
警戒: ミルテ
0 → 0
特性: guilt
0.65 → 0.66