塩漬けの肉と、金貨三枚の値札
塩漬けの豚肉ひとかたまり、それと、金貨三枚。
人通りのない角で、一日中馬蹄を磨いていても、入ってくるのは埃と寒風だけだ。それなのに、あの北の村の男がわざわざあたしを探し出して、脂ぎった包みを押しつけてきた。
「お守りのおかげで、お袋の頭痛がすっかり消えたよ」だって。
ただのトビの骨だ。あたしがそこらの藪で拾って、それらしい紐で縛っただけの、なんの力もないゴミ。それが、あの男の母親の頭痛を治した。前にもこんなことがあった。あの時は子供の熱だった。
あたしが本物だと言い張って売るものは、全部まがい物だ。それなのに、買った奴らが勝手にそれを本物にしてしまう。じゃあ、あたしが夜通し古い図録をめくって、ガロンの目を盗んでまで学んだ「鑑定」ってやつは、一体何のためにあるんだ?
手元にある青い石の首飾りを見つめる。
昨日まで「金貨二枚」と書いてあった札を外して、墨をたっぷりとつけた筆で「金貨三枚」と書き直した。
ミオが来たら、また無言でこの数字を見るだろう。値上げしたのを見て、あの子はなんて思うか。軽蔑するかもしれない。それでもいい。
売りたくないわけじゃない。あたしは金が欲しいんだ。オルバの店から「棚」を買い戻さなきゃいけないんだから。
だけど、この石にインクの匂いのする新しい木札を添えるとき、指先が少し冷たくなった。
この首飾りは、うちの鑑定部の厳正なる調査によれば、はるか南方の海底神殿から引き揚げられた奇跡の遺物——。
いや、ただの綺麗なガラスかもしれない。
金貨三枚。
この日、動いたもの
- 信頼: ミオ
- 0.62 → 0.62
- 警戒: ミオ
- 0.1 → 0.12
- 特性: business_sense
- 0.48 → 0.45
- 特性: sentimentality
- 0.75 → 0.77
- 信念: 嘘も磨けば嘘じゃない
- 0.65 → 0.68